アレクサンダーテクニークを目に応用したいという方はたくさんいらっしゃいますが、あまり方法が示されていません。アレクサンダーテクニーク業界で有名な目のメソッドとしては
- アイボディ
 - ベイツメソッド
 
の2種類があります。
今回はその中でも「アイボディ」という本について解説していきたいと思います。
もくじ
1章: ある物語–もうメガネはいらない
- 自分で視力を悪くできるのだから, 良くすることもできるはず
 - 「見える」体験の素晴らしさ
 - 猫背から脱出し, アレクサンダー・テクニークの教師の道へ入る
 - ぼやけた自分の目でぼやけた世界を見てみる
 - はじめてメガネなしで過ごした一日
 - メガネ離れをするためのメガネ
 - メガネとの別れ
 

猫背から脱出し、アレクサンダーテクニークの教師の道に入る。の時の話が、僕がアレクサンダーテクニークの道に入った時に似ていてすごく共感しました。やはり、「不調があってそれを治したい」という動機付けは最強で、アレクサンダーテクニークをすごい!と思うにはこの部分がとても大事です。
2章: 視覚の機能–アイボディ・パターンの数々
- 目ではなく, 脳が見ているのです!
 - 三つの脳
 - 視覚脳
 - 胎内における目の形成
 - 目の外側
 - 目の解剖学と生理学
 - 脳への伝達路
 - はっきり見えるとは, どういうことか–その従来的解釈
 - ほかに方法はないのでしょうか
 - 「目は体」の発見
 - ターニング・ポイント
 - アイボディ反射パターンの概観
 - 経験的解剖学・生理学
 - 高度な視覚機能–協調と統合
 - 脳とアイボディ・パターンの関係
 - 今までの考え方とはお別れしましょう
 

今までの考え方とお別れする。というのはアレクサンダーテクニークにおいて、確信をつく考え方になります。アレクサンダーテクニークは「自分の癖に気付きそれをなくしていくことがよりよくなることである」という理念の上にありますので、自分の考えを無くすというのはとても大事です。
3章: 脳の視覚機能の基本的タイプ
- 1次・2次機能
 - 上部視覚野の二つの特徴的タイプ
 - 広がりすぎ上部視覚野
 - 収縮型上部視覚野
 - 広がりすぎ型と収縮型の原因とその影響
 

脳と視覚がつながっているということを改めて考え、知るということを大事なのだなと思いました。アレクサンダーテクニークの要素に身体の形を覚えるボディマッピングという手法がありますが、それを応用している画期的な理論で見ていてとても楽しかったです。
4章: アイボディの原理
- アイボディの原理
 - 原理vs練習
 - 筋感覚と視覚システム
 - 自分は何をしているのか
 - 使い方で機能が変わる
 - 第一の原理–上部視覚野に見られる根本的かつ先天的なタイプ
 - 第二の原理–アイボディ・パターンは自分のすべてを支配している
 - 視覚システムに備わるの多重的機能–身体的機能, 感情的機能, 知的機能, 霊的機能, 環境との相互作用機能
 - 第三の原理–第一次協調作用
 - 意識的奥行き知覚
 - 第四の原理–ビジョンがすべてを導く
 

アイボディの原理としては「眼で見るのではなく、脳で見る」ということらしいのですが、多分アレクサンダーテクニークを実践されていないとこの概念はわかりずらいのではないかなと思いました。
5章: アイボディ・メソッドと症例研究
- アイボディ・パターン–この道具は信頼できます
 - 視覚の方向づけ
 - メガネとコンタクトレンズに副作用はあるのか
 - 金曜午後のメガネ
 - 屈折矯正手術
 - 緊急手術
 - 視覚機能障害の症例
 - 近視–遠くがぼやけて見える場合
 - 老眼–新聞を遠く話して読むのに自分の腕の長さが足りなくなった場合
 - 遠視–実物よりも大きく見える場合
 - 乱視–月が二つに見える場合
 - 緑内障–人生の重荷
 - 白内障–遠くも近くもだんだんぼやけて見えるようになる
 - 斜視–私を見ているのはどっちの目?
 - 光線過敏症–ここはあかるすぎる!
 - 夜目–なんにも見えないじゃないか!
 - 網膜剥離
 - ドライアイ
 - 飛蚊症–目のなかの髪の毛は何なの?
 

目に対する病気とアイボディの関係性を説いています。上に書いてある症状の方は改善が見られたそうですが本当でしょうか?目の使いすぎによる症状であれば、目の癖をやめることで改善するとは思いますが・・・色んな病気でさえ治ってしまうアイボディとはなんなのか?この章ですごく興味がもてました。
6章: 目と体の関係
- 目と体の関係
 - 聴覚と視覚システム
 - 感情と視覚システム
 - 体のけがと視覚システム
 - 目と体のつながり
 

目と身体の関係性が強調されていて「目も身体の一部」ということが再認識させられました。アレクサンダーテクニークを行っていると目についての習慣にそんなにアプローチする方がいないので結構忘れがちになります。
7章: 日常生活への応用
- 日常生活への応用
 - 原理を日常生活に応用する
 - 自動車の運転
 - 家や学校での子ども
 - 読むこと
 - コンピュータの使用
 - 飛行機に乗るとき
 - 音楽家
 - 舞台俳優, 講演家
 - 映画やテレビの俳優, 出演者
 - ダンサー
 - スポーツをする人
 - 団体競技
 - ゴルフ
 - ジムでの運動
 - ウォーキングとランニング
 - テニスとスカッシュ
 - 武術
 - ヨガ
 - セックスと愛
 - 減量と食欲
 - 二つのタイプの盲目
 - 夢
 - 他の諸問題
 

アイボディに適している人について、さまざまな角度から解説した章になります。といってもそんなに重要な所でもなく「こういう時にアイボディは使えるよね!」といった内容になっているため、そんなに参考になる部分はありませんでした。ただ、アレクサンダーテクニークが使える状況としてはすごくマッチしていたため、アレクサンダーテクニークを始めたばかりの方にとっては参考になる部分もあります。
8章: 最初の一歩
- メガネを外して視覚システムを強化しましょう
 - 移行用メガネ
 - ピンホール・メガネ–もっとはっきり見ながら視覚システムを内側から訓練する
 - アイボディ・メソッドの学習段階
 - 第一段階–パノラマ視
 - パーミング
 - 目の<ひなたぼっこ>は網膜・視床・視床下部全体を刺激する
 - 視覚システムの筋感覚を洗練させる
 - 結び
 

主にアイボディに必要なアイテムについて書かれています。といっても、ほぼ実践的な内容ではなく、アイボディに関しての知識の補完といった所でしょうか。
9章: 今後の可能性
- よく質問されること
 - 参考文献
 - 用語解説
 - 訳者あとがき
 - 索引
 - アイボディ情報
 
まとめ
正直なところ、ほとんど成功談や体験談の話ばかりでアレクサンダーテクニーク的な実践はほとんどありません。もちろん全くないわけではないのですが、これはもう本当のことを知りたければ「僕のワークに来て下さい」ということなんだと思います(笑)
この本をおすすめする理由としては、目に病気を持ってる方や、目についての障害を持ってる方は、アイボディによって改善できる余地があるということです。
アレクサンダーテクニークを知っている事がわりと前提になる本になりますので、全くの初心者がこの本を読むのは少し疑問がのこりますが、ある程度アレクサンダーテクニークをかじっているのであれば、目へのアプローチとしてはすごく斬新なことが書かれていますので、一度読んでみることをおすすめいたします。
								
					
					
					
												
					
					
					
												
										
					
									
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